歯の再生医療

以前から歯の再生医療に関する発表はありましたが、今年の3月にビーグル犬の幹細胞から作った歯のもとである「歯胚(しはい)」を使って構造・機能的に完全な歯を再生させることに成功したと、岡山大学と理化学研究所の研究グループが発表しました。
これまでは歯の喪失に対し、入れ歯やブリッジ、人工歯根を用いて機能を代替してきました。しかし咀嚼や嚥下の根本的な機能回復の必要性から生物学的な歯の再生への期待を背景にして、研究が進められてきたそうです。

同様の研究はマウスでの成功例が発表されていましたが、大型動物の成果は初めてとのことです。これによって研究はさらに進展していくと言われているそうですが、実際には若齢期の歯胚細胞を利用した研究であって歯を失った成人・高齢者へ適応される技術となるまでには越えなければいけない課題は多いようです。効果的な治療法として早期に確立して欲しいと思いますが、人体での実用化はまだまだ先の話です。

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