脳卒中や認知症リスク3倍のドリンク!?

今年4月に米国医学誌で公開された論文で、人工甘味料を含んだ飲料水を多く飲むと、飲まない人に比べて脳卒中や認知症のリスクが約3倍に高まったという研究結果が報告されました。

ボストン大学神経科のMatthew P. Pase氏らが行った延べ4372名の追跡調査によるもので、人工甘味料を含んだソフトドリンクの累積摂取量が高いほど虚血性脳卒中で2.96倍、アルツハイマー型認知症で2.89倍と高まることが明らかになりました。なお、砂糖を含むソフトドリンクの場合においては、脳卒中または認知症リスクとの関連性が無いことも報告されています。

昨今のダイエットブームや健康志向を背景として低カロリーが売りの飲料水が多く売られ、夏の時期には1日の水分摂取量も増えるため、人工甘味料入りドリンクをより多く摂取しがちです。

ノンシュガー、シュガーフリー、カロリーオフ、カロリーゼロ、ライトという表記があると大抵の場合人工甘味料が使われています。こまめな水分補給は必要ですが、人工甘味料入りドリンクよりも、ミネラルを含んだ麦茶などの自然素材の飲み物に変えてみてはいかがでしょうか。

歯の再生医療

以前から歯の再生医療に関する発表はありましたが、今年の3月にビーグル犬の幹細胞から作った歯のもとである「歯胚(しはい)」を使って構造・機能的に完全な歯を再生させることに成功したと、岡山大学と理化学研究所の研究グループが発表しました。
これまでは歯の喪失に対し、入れ歯やブリッジ、人工歯根を用いて機能を代替してきました。しかし咀嚼や嚥下の根本的な機能回復の必要性から生物学的な歯の再生への期待を背景にして、研究が進められてきたそうです。

同様の研究はマウスでの成功例が発表されていましたが、大型動物の成果は初めてとのことです。これによって研究はさらに進展していくと言われているそうですが、実際には若齢期の歯胚細胞を利用した研究であって歯を失った成人・高齢者へ適応される技術となるまでには越えなければいけない課題は多いようです。効果的な治療法として早期に確立して欲しいと思いますが、人体での実用化はまだまだ先の話です。