平成27年 人口動態統計(確定数)が発表されました

厚生労働省により人口動態統計の確定数(平成27年)が発表されました。

死因順位(トップ10位まで)別 死亡数・構成割合は、平成26年と比べ順位の入れ替えはありませんでした。

死因 平成27年 平成26年 対前年増減
悪性新生物 370,346人 368,103人 2,243人増
心疾患 196,113人 196,925人 812人減
肺炎 120,953人 119,650人 1,303人増
脳血管疾患 111,973人 114,207人 2,234人減
老衰 84,810人 75,389人 9,421人増
不慮の事故 38,306人 39,029人 723人減
腎不全 24,560人 24,776人 216人減
自殺 23,152人 24,417人 1,265人減
大動脈瘤及び解離 16,887人 16,423人 464人増
慢性閉塞性肺疾患(COPD) 15,756人 16,184人 428人減

以前「をりふし」でも取り上げていた「交通事故」と「窒息事故」については、いずれも前年よりも減少が見られました。

不慮の事故

死因 平成27年 平成26年 対前年増減
交通事故 5,646人 5,717人 71人減
窒息 9,356人 9,806人 450人減

今より窒息事故を減らす為にも、引き続き正しい噛み合わせと咀嚼能力の維持、嚥下機能の低下予防に努めていかなければいけません。
交通事故と比べた比率は約1.7倍と昨年度と変わらずでした。

交通事故より多い窒息事故死

窒息事故の原因ですぐに思い浮かぶのはお正月のお餅でしょう。しかし窒息事故は正月に限ったことではなく、一年中さまざまな食品で起きています。更に衝撃的なのは、交通事故よりも窒息事故によって死亡する方が多いという事実です。平成26年人口動態調査の「不慮の事故」の種類別では、交通事故で亡くなった方が5717名であったのに対し、窒息事故は約1.7倍の9806名です。更にこのうち全体の約9割となる8612名が65歳以上の高齢者です。

H26人口動態調査「不慮の事故」の種類

下の種類別推移を見ても交通事故死は年々減少しているのに対し、窒息、転倒・転落、溺死は増え続けています。そして年齢別の内訳ではいずれも65歳以上の高齢者が大半を占めています。

不慮の事故の種類別死亡数推移

下のグラフは窒息事故によって死亡した方の窒息原因を調べたものです。一般的にお餅や蒟蒻等の飲み込みにくい食品が窒息しやすいと思われていますが、実際に原因となっていたものは普段の食事でお口にする食品類ばかりです。

「食品による窒息の現状把握と原因分析」平成19年度 向井らの研究「食品による窒息の現状把握と原因分析」より

高齢者は嚥下(食べ物の飲み込み)機能の低下により、窒息リスクが上昇します。食べ物の固さと大きさに注意し、よく噛んで食べましょう。また咀嚼状態を保つ為には、歯(特に奥歯)の維持、無い場合は入れ歯の使用、入れ歯を使用している場合は定期的なメインテナンスに取り組むことが重要です。しっかり噛めることが出来れば唾液分泌の促進にもつながり、唾液によってコーティングされると飲み込みや消化が助けられます。