[Q&A]舌(べろ)を掃除する頻度は?

唾液分泌量が減ると舌上に汚れが溜まりやすくなります。白色や茶褐色のコケ状の汚れは舌苔(ぜったい)と呼ばれ、口臭の原因だけでなく、それらの中で細菌やウイルスが増殖すると全身に悪影響を与えます。そのために常日頃から舌も綺麗にしておく必要があるのです。ご自身で舌の掃除が出来る場合は、就寝前の歯ブラシの時に鏡を見ながら舌専用のブラシ、または歯ブラシで味蕾と呼ばれる味を感じるセンサーを傷つけないようにかき出すように掃除します。口腔清掃の介助が必要な方に対しては、週1回程度を目安とし以下の点に気を付けながら清掃を行います。
・力を入れず、奥から手前にかき出すようにブラシを動かす。
・舌の奥は嘔吐反射が出やすいので、舌の中ほどより奥には入れない。
・指示が入らない、拒絶、防御反射があれば中止する。

口腔清掃は継続して行う必要があります。その後の拒絶にもつながってしまうため、決して無理に行わないでください。また出来れば歯ブラシを代用せず、短時間で効率的に実施出来る舌専用ブラシを使いましょう。

[Q&A]使用休止中の入れ歯の保管方法は?

高齢になると様々な病気に罹ってしまうことがあり、療養中には入れ歯を使用を休止することがあります。風邪やインフルエンザの場合は1週間程度、点滴など経口摂取出来ない状態が続く場合はさらに長くなります。長い期間入れ歯の使用を休止する場合、どのように保管するのが良いのでしょうか?

1,2週間程度であれば保管ケースに水を張り、1日置きに水を交換しましょう。水は頻繁に交換して下さい。しかし長期間となると水の交換作業が負担となったり、忘れてしまうこともあります。季節によっては綺麗な水を張っていても直ぐに細菌やカビが繁殖してしまいます。カビが生えてしまうと入れ歯の細かい溝にまで根を張ってしまい、洗浄しても落ちません。長期間となる場合は十分に入れ歯を乾燥させて、外気に触れないよう密封パックなどに入れて保管して下さい。

体調が回復しても生体の変化、あるいは入れ歯の変形によって適合しない場合があります。入れ歯の使用を再開する前には、必ず歯科医師による状態の確認や調整を行った上で使用するようにしましょう。

[Q&A]嘔吐した入れ歯の洗浄方法は?

ノロウイルスの感染によって嘔吐した際、吐しゃ物の中に入れ歯があったという話を聞きます。口を大きく開けた状態のところに胃の内容物が逆流してくる為、入れ歯を外へ押し出してしまうからです。吐き出された入れ歯にはウイルスが付着しているので、洗浄が終わるまでは使用を控えます。

厚生労働省によると消毒方法として以下の2つが挙げられています。
・85℃・1分間以上の熱を加える
・次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm)

但し、入れ歯はプラスチックで出来ているため熱を加えると変形します。せっかく体調が回復しても入れ歯が変形したことで食べられなくなっては元も子もありませんので、液体での消毒を行いましょう。ノロウイルス用の消毒液も市販されていますが、家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用出来ます。プラスチック製品の除菌であれば30秒~1分程度の浸け置きで良いとされています。長時間浸け置きすると漂白による変色の可能性もあります。消毒を行う前には、「使用上の注意」を必ず確認して下さい。