[Q&A]舌(べろ)を掃除する頻度は?

唾液分泌量が減ると舌上に汚れが溜まりやすくなります。白色や茶褐色のコケ状の汚れは舌苔(ぜったい)と呼ばれ、口臭の原因だけでなく、それらの中で細菌やウイルスが増殖すると全身に悪影響を与えます。そのために常日頃から舌も綺麗にしておく必要があるのです。ご自身で舌の掃除が出来る場合は、就寝前の歯ブラシの時に鏡を見ながら舌専用のブラシ、または歯ブラシで味蕾と呼ばれる味を感じるセンサーを傷つけないようにかき出すように掃除します。口腔清掃の介助が必要な方に対しては、週1回程度を目安とし以下の点に気を付けながら清掃を行います。
・力を入れず、奥から手前にかき出すようにブラシを動かす。
・舌の奥は嘔吐反射が出やすいので、舌の中ほどより奥には入れない。
・指示が入らない、拒絶、防御反射があれば中止する。

口腔清掃は継続して行う必要があります。その後の拒絶にもつながってしまうため、決して無理に行わないでください。また出来れば歯ブラシを代用せず、短時間で効率的に実施出来る舌専用ブラシを使いましょう。

[Q&A]舌につく白い汚れは何ですか?

舌表面に付着している白色または茶褐色の汚れは舌苔(ぜったい)と呼ばれる苔状の汚れです。舌苔の付着原因は、その方の全身状態や服薬、口腔内の状態(唾液量や乾燥の度合い)など様々です。
普段使っている歯ブラシで除去清掃すると嘔吐反射が起こったり、また除去する程度についても判断がつきにくい為に、専門職種ではない介護現場の職員にとって舌のケアは難敵です。更に開口量が小さい、開口保持が難しい場合には汚れの程度や範囲すら判断出来ません。

では自然に減少するのを待てばいいのでしょうか?

2015年に「舌苔の付着面積が大きい人は、呼気中のアセトアルデヒド濃度が高い」ことを岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の研究グループが突き止めました。口の中のアセトアルデヒドは、口や喉の癌の原因となることが指摘されており、舌を清掃することは非常に重要なことです。

日常的な口腔ケアでは難しい専門性を伴うケアには、専門職種である歯科医師、歯科衛生士との連携の下で進めていきましょう。